小笠原へのアクセス | 船でひたすら南へ
概要
小笠原諸島は多くの無人島といくつかの有人島で成り立っています。一般人がアクセスできるのは父島と母島、そして無人島の南島(ツアー参加)のみです。
硫黄島と南鳥島は自衛隊と気象庁職員のみ、その他の島は研究や調査目的でのみのアクセスが可能で一般人が行く方法はありません。
私は南島ツアーを申し込みましたが、当日は波が高くて上陸できませんでした。
父島へ
本土からのアクセスの窓口は父島になります。現在、小笠原海運が運行するおがさわら丸が唯一のアクセス手段です。手続きは以下の通りです。
チケット予約
小笠原海運でおがさわら丸のチケットを予約しましょう。インターネットで予約すると割引があります。1週間に1往復なので注意しましょう。毎日運行ではありません。
金額は以下のとおりです。(平成28年10月現在、大人料金)
特等室は床面積19.1平方メートルで定員2名(全4部屋)、キングサイズベッド 1台(幅180cm 長さ200cm)にバス、トイレ、テレビ、冷蔵庫、空気清浄機付、専用ラウンジ(マッサージチェアー、ドリンクサーバー、水素水給水器。全て無料)、専用デッキ(特等室共用)とものすごい設備がついています。
一方、2等和室は敷きマットレス(幅75cm 長さ200cm)、上掛け、枕だけがついています。船内は未だに階級格差の激しい世界です。しかし2等和室も先代のおがさわら丸よりは断然改善されたらしく、以前は本当に雑魚寝でトイレに行くのも人をまたいで行かねばならず、苦労したそうです。
宿の予約
宿は船を予約してから出ないと予約を受け付けてもらえません。以下のサイトを参考にして私は宿をおさえました。
母島では民宿「メグロ」、父島では「たつみ」に泊まりました。いずれも港まで迎えに来てくれます。めぐろは素泊まり、たつみは朝夕二食付きでした。いずれも洗濯機は1回200円(水道代が高いかららしい)。いずれも1泊8,000円前後です。wifiはありません。
たつみのご夫妻は以下のサイトでも人柄がイチオシされていますが、まさに評判の通り、人情の感じられる宿でした。ご夫妻はもう80歳ぐらいなので「民宿を続けられるのもあと数年」とおっしゃっていました。
民宿メグロ
外見はこんな感じです。工事現場で働くお兄さんたちがメインに使っていました。
部屋にはテレビ、クーラーつき。キッチン完備、素泊まり、お風呂あり。コインランドリー(1回200円)あり、トイレもきれいです。通常は二人一部屋らしいですが、私が行ったのは9月下旬だったので、観光客は他に誰もいませんでした。
民宿たつみ
外見はこんな感じです。部屋にはテレビ、クーラーつき。コインランドリー(1回200円)あり、トイレ風呂共同ですが、お風呂は大きめの浴場が貸し切り(順繰り順繰り入る)になります。おがさわら丸が到着すると観光客がどっと増えて満室になりました。おがまるパックに部屋を貸しているため、個人で予約できる部屋数が限られています。
1泊8,000円で2食付きなのはありがたいです。1回は島寿司が出せるようにしてくださっているそうです。ただ、新鮮な魚が手に入らないときは出なさそう。私がいたときもサワラではなくチギ(バラハタ)という魚の島寿司が出ました。冷蔵庫は2階に二つあります。
- 母島の宿
http://www.hahajima.com/tomaru/yado.html - 父島の宿
http://www.ogasawaramura.com/stay/ - 南洋の島を思いっきり楽しむ!小笠原で人気の民宿ランキング Top6
https://retrip.jp/articles/9919/
乗船
船着き場は東京の竹芝桟橋です。
行く前にはちゃんと着替え等の必要物資のほか、乗船券と水、食料を持っていきましょう。おがさわら丸にはシャンプーなどはついているので安心ですが、タオルはないので気をつけましょう。
小笠原は物価が高いです(おがさわら丸はまだ良心的)。少しでも食べ物があると安心です。特に暑いところでは甘いもので糖分補給するのが大事ですが、いずれも高い上、菓子パンなどはほとんど手に入らないので持っていったほうが良いです。(菓子パンは船の入港日にスーパーに並び、翌日には消えます。)
私は浜松町駅から行きました。一番近いのはゆりかもめの竹芝駅になります。
駅に降りて北口からずっと右(東)に行きます。大きな荷物を抱えた人たちが歩いていますので、流れに乗っていけばつきます。高速道路の高架をくぐった先が竹芝桟橋です。
中に入ってチェックインを済ませます。高い客室から順番に整理番号順で呼ばれます。ちょっと並びますが手続自体は一瞬で終わります。
自分の番号が呼ばれたらいよいよ乗船です。左奥に見える赤と青のしましまがおがさわら丸の煙突です。
納涼船に乗るのではありません。もっと暑いところに行きます。
ボーディングブリッジを通って乗船です。早めに集まってボーディングブリッジを使って乗るなんて、まるで飛行機みたいです。本当は逆で、飛行機が船の乗り方を適用しただけです。だからいまでもキャビン(客室)とかキャプテン(機長)という言葉が使われているのです。一方、鉄道は馬車の乗り方が採用されました。このあたりの詳しい経緯を書くと長くなるので、鹿島茂の『馬車が買いたい!』を読んでください。
2等船室(和室)はこんな感じです。大きな荷物を置く場所があるのは素晴らしいことだと思いました。枕元は仕切りがあるので隣の視線も気にならず、一人の空間が持てます(そんな気になるだけですが)。消灯時間が午後10時と決まっているのはやりづらいですが、そこはそれ、潔く寝ましょう。
母島へ
母島へは父島からははじま丸に乗り換えて2時間の船旅です。
父島の二見港に着いたら右側に行きます。ははじま丸が停泊している目の前で乗船券を買います。おとな片道4,050円と結構な値段です。電車より高い。なお、予約は必要ありません。少なくとも2015年に定員オーバーで乗れなかったことはなかったそうです。
母島に行く前には靴の泥を落とします。母島にはまだまだ貴重な生態系が残っているため、プラナリア(と言っても清流にいるあの子達ではなく、ニューギニアヤリガタリクウズムシという繁殖力の強いヒルみたいなやつ)や植物の種を持ち込まないためです。
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